自分の言いたいことを
言い合える環境。
高品質な手袋づくりを
支えるのは、
お互いを認め合う
チームワークだ。

仁豊野事業所 製造部 手袋製造課
※2020~ SHORUBBER(MALAYSIA)SDN.BHD.(マレーシア生産拠点)出向中

吉井 重隆2005年 入社

「これを自分が作った」。
そんな実感が欲しい。

毎日、何千もの手型が流れていくラインを見ている。年単位の時間をかけて研究部が開発した手袋を、エンジニアリング部が苦労して構築したラインで量産する。僕ら製造部のすぐ先には、商品を使ってくれるお客様がいる。原料の粘度や状態に問題はないか、異物が混入していないか。ショーワグローブが選ばれる「高品質」は僕ら製造の眼と手にかかっているのだ。

ものづくりをするなら、「これは僕が作った」と言えるようなものがいい、そう思うようになったのは就職活動中のことだ。大勢の仕事を結集して完成させる一工程もいいけれど、自分には作ったものがそのまま商品として店頭に並ぶような仕事が肌に合っているんじゃないかと考えていた。大学の研究室には海外で活躍している先輩が多く、自然と自分も就職したら海外に行くものだ、と思っていた。いつしか海外で働くことを強く意識していた。

ショーワグローブを知ったのはその頃だった。手袋を作っていて、マレーシアに工場があるという。手袋をあまり意識したことはなかったが、研究室での実験では毎度お世話になっているし、子どもの頃は軍手をして田んぼで作業を手伝っていた。そう思うと「手袋」が身近なものに思え、海外で働けることも加わって魅力的に映った。選考に進む中で出会った先輩社員はみな親しみやすく、学生の僕がなんでも聞きたいことを聞ける、そんな雰囲気の良さも決め手のひとつになった。

海外でぶつかった壁。
半信半疑の改善への取り組み。

入社した翌年からさっそく、製造管理担当としてマレーシア工場へ赴任した。学生の頃から夢見ていた海外勤務。現地スタッフとのやり取りに英語だけでは足りず、すぐに現地の言葉も必要になった。とにかく意思疎通ができなければ仕事にならない。身振り手振りで伝えたり、図や絵をその場で描いたり、はじめはコミュニケーションを取ることに必死だった。

5年目を迎えた2009年頃、当時のマレーシア工場はどんどん生産規模を拡大し、数多くのラインが同時に動く勢いのある拠点だった。けれど、日本と比べるとまだまだ管理が行き届かず、毎日のように原料が固まってラインが止まったりと、稼働率は今ひとつだった。「なんで俺の言うたことをやってへんのや」。指示が守られていないと裏切られたような気持ちになり、思わず声を荒げたこともあった。ついには本社から改善指示が下り、工場に外部からコンサルタントを招いて2週に一度、改善を行う指導会が行われることになった。「Save Money Action Responsibility Team Work」の頭文字から「SMART活動」と名付けられたその改善活動は、立ち上げ当初は、スタッフの理解が得られずなかなか前に進まずに苦労した。

コンサルタントに助けられながらスタッフと工場内の改善手法を繰り返し話し合ったが、これで本当に変わるのかと半信半疑のままだった。2年半ほど経って一度帰国し、そこでも本社の勧めで工場改善の研修に参加した。改善のための努力を惜しまない会社の意気を感じつつも、「これだ」という実感を持てないまま、僕は再びマレーシアに戻ることになった。

否定せずに受け止めることから、
現場に変化が。

2度目の赴任で参加したSMART活動の時、自分の変化に気づいた。スタッフの意見を冷静に受け止め、アドバイスしている僕がいたのだ。思い当たったのはコンサルタントから指導があった時のこと。自発的に考えさせて、自分で問題点を見つけさせて解決へ導く。その途中で間違った意見があっても、決して否定はしない。いつの間にか自分もそのスタイルが身についていたのだ。まず相手の事情を聞き、そして言葉を受け入れることで、対話が驚くほどスムーズになった。現場に笑顔が増え、いつしか信頼関係が生まれていた。

製造の業務では、製品の安定供給だけではなく、製造工程で出る廃棄物の処理も考えなくてはならない。僕は、その頃のマレーシア工場で課題になっていた天然ゴムの原料廃棄量を減らすプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトを進める上でも、SMART活動で得た改善手法は役に立った。原料の日々のデータを見直して、廃棄の要因をひとつひとつ確かめる。何度も失敗を繰り返し、対策についての議論を重ねる。当初は関心を示さないスタッフもいたが、意見を求めているうちに経験から得た天然ゴムについての知識を積極的に教えてくれるようになった。毎週会議を設けて数字を振り返り、地道な検証を1年半続けた。その結果、現地スタッフとの努力が実を結び、天然ゴムの廃棄量は劇的に減少した。

いいチームワークが高品質な
製品をつくる。

僕は心配性な方だと思う。いい製品を作るためなら、事前に確認できることは、すべて確認したい。できることは、やったほうがいいと考える。それは今までの失敗と改善から学んだ経験値でもあるし、僕ら工場のすぐ先に手袋を使ってくれるお客様がいるという意識からもきている。職場の雰囲気が品質に影響するという思いはどこにいても変わらない。部下にはSMART活動で学んだ手法を活かし、課題と原因を聞いて、自分で対策を考えさせる。うまくいったらもちろん褒める。失敗したら一緒に対策を考える。自分で考えた対策をやっていなければ叱ることもある。そして時には僕の経験から「こうじゃないかな」とアドバイスをする。いい製品を作るためには言いたいことを言える雰囲気が大切だ。相手を否定しないことで、いいコミュニケーションが生まれ、いいチームワークができる。

今日も何千もの手型が流れるラインを見ながら、ふと思う。高い品質の商品を安定して作り続けるには、やっぱり人にかかっている。いいチームワークが、高品質なものづくりを支えるのだ。

1年目 仁豊野事業所製造技術グループ(当時の製造部)に配属 ポリウレタン製品の製造ラインの3交代勤務 2年目 マレーシア工場に出向 ポリウレタン製品の製造ライン管理を担当 ポリウレタン製品の生産能力を大幅に向上し社長賞を受賞 4年目 ニトリルゴム製品の製造ライン管理を担当 SMART活動が開始 7年目 日本に帰国 研究開発グループにて研修後、仁豊野事業所にて塩化ビニール製品のライン管理を担当 9年目 マレーシア工場に出向 基幹システム立ち上げ及び基幹システム生産管理業務 11年目 天然ゴム・ニトリルゴム製品のライン、原料調合管理を担当 12年目 日本に帰国 仁豊野事業所 製造部に配属 13年目 仁豊野事業所 塩化ビニール製品の製造管理を担当(シフトリーダー業務) 14年目 手袋製造チーム チームリーダーに就任

チームワークで挑む、手袋づくりの最前線。

共に働くスタッフと力を合わせて、高品質な商品を最適なコストで、決められた納期までに作り上げ、維持・改善するのが製造部のミッションです。国内外の拠点で他国のスタッフともコミュニケーションを取りながら不良率低減など生産能力の向上に取り組みます。日々の仕事がすぐに結果として現れ、会社全体の利益に繋がるわかりやすさがあります。お客様に届ける商品そのものの製造にあたるので、ものづくりを特に実感できる部署と言えるでしょう。製造部ひとりひとりの高い意識が、多くの働く「手」に信頼されるショーワグローブのブランドを守り続けています。

その手が、未来をつくる。

わたしたちとともに未来をつくる、
仲間の応募を待っています。