T.S

Q1.なぜショーワグローブを選んだのですか?

まず第一に、最終製品をつくっている企業であり、ユーザーとの距離が近く、世の中を支えている実感が得られると感じたからです。当社について調べていくうちに、テレビや日常生活を通して手袋が使用されているシーンが目に留まるようになり、こんなにも幅広く使われているのだと驚きました。第二に、多様な価値観に触れながら研究開発が行えると感じたからです。当社製品を提供する業種は多岐にわたり、各ユーザーのニーズを的確に捉える必要があります。また生産拠点が海外にもあり、グローバルに働ける環境があることにも大きな魅力を感じました。学生時代は研究室に籠り、一つの分野を突き詰めるような研究生活を送っていましたが、社会人になったら、部屋の中にとどまらず様々な人と協働しながら製品開発がしたいと考えていました。

Q2.現在の仕事内容とその面白さを教えてください。

「樹脂素材」、「糸、編機」、「手型」の組み合わせから新たな技術を確立し、それらを活かして製品の開発、改良を行っています。ショーワグローブの強みは、手型づくりから製造ラインの構築までを自社で行うことができることです。そのため研究開発で関わる範囲は非常に広いですが、それがオリジナリティのある製品開発を可能としています。その中で自分のアイデアが形となり、人の役に立っていることを実感できたときは本当に嬉しく、この仕事の醍醐味だと感じます。またその経験が、次の製品開発に向けた新たなモチベーションにつながっています。

T.S

Q3.これまでのキャリアの中で印象に残っている仕事を教えてください。

入社4年目の2015年から4年間にわたりベトナム工場に出向しました。2015年はベトナム工場で初めて天然ゴム製品の生産が始まったタイミングでした。その手袋が当社の主力製品の一つであるライトグリップです。私の出向後最初の仕事は、このライトグリップの生産を軌道に乗せることでした。それから1年後の2016年にライトグリップの増産を目的とした新ラインを立ち上げることが決まり、私はプロジェクトリーダーに任命されました。そこではこれまで生産安定化に取り組んできた経験を活かし、設備改善のアイデアを次々と提案しました。しかし、上手くいったことばかりではありませんでした。指先部の成膜不良を改善するためにトライした機械動作の変更が裏目に出て、実機テストで不良品が多発し、惨憺たる状態に。失敗したときの代替案を用意できていなかったため、テスト期間を1週間延長せざるを得ず、多くの迷惑をかけました。この時痛感したのは、事前準備の大切さです。この経験を糧に新ラインでの量産開始から1年後には、ベトナム工場でライトグリップの生産が始まった初年度7%近かった不良率を、1%以下まで改善することができました。当時、担当していた現地スタッフとともに社内で表彰してもらうことができたのは良い思い出です。困難を乗り越えて成功をつかんだことで自分の自信になりました。

Q4.ご自身の成長の機会となった出来事は?

これもベトナム工場での出来事ですが、出向3年目の2017年に約1年間をかけて原料場の立て直しに取り組んだ経験です。当時、原料場が抱えていた問題は、「担当スタッフの高い離職率」と「配合原料の不安定さ」でした。私はこの問題の原因が「作業環境の悪さ」と「業務の属人化」にあると分析しました。そこでまず、生産ラインを管理する部署のスタッフを原料場のリーダーに迎え、部署間での協力体制を強化しました。第二に、作業手順書を整備することで、業務の見える化を進めました。第三として、作業者から設備改善の提案を集め、優先順位をつけて対策する仕組みをつくり、作業環境の改善に取り組みました。その結果としてスタッフの定着率が上がり、1年後には現地スタッフが主体的にトラブルに対応し、継続して改善活動を行うことができる状態をつくることができました。実践を通して課題解決に至った経験は自分にとってその後の大きな糧となっています。

T.S

Q5.これから挑戦してみたいことはありますか?

よりユーザー目線を意識した新製品開発に挑戦したいです。まだ詳細を明かすことはできませんが、実は今、芽が出始めているアイデアがあります。その一つは、既存の耐薬品性手袋に新たな機能を追加した手袋です。以前からユーザーに求められていた機能だったのですが、加工が非常に難しく、今まではなかなか実現できずにいました。そんな中、その困難を突破できる解決策が見つかってきました。もう一つは、水産用手袋です。実際に漁場を訪問し、漁師さんに試作した手袋をテスト使用いただいたところ、これまで重要視していた“滑りにくさ”だけでなく”細かい作業のしやすさ“や”疲れにくさ“についても強い要望があることがわかりました。そのニーズに着目した手袋を開発しようと動き始めています。このように私たち研究開発者が、ターゲットとする現場に足を運び、営業部門やマーケティング部門とも協働しながら、お客様の声や使用シーンへの理解を深め、よりユーザー目線の「使い勝手の良い手袋」を追求していく。そうした中でこれまでにない手袋の創造はまだまだ広がっていくなと感じています。

T.S

Last.最後に学生の皆さんへ。

就職活動に正解はないと思っています。なぜなら、他の人と同じ選択をしても、それが自分にとっての正解になるとは限らないからです。重要なのは、焦らず自分の意思で納得感の持てる選択をすることだと考えています。その納得感が入社後に広がるステージで前向きに働く支えになると思います。皆さんにとってのステージがショーワグローブであれば大変うれしく思います。

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