わたしたちのこだわり

創業から受け継がれる、
モノづくりの姿勢

全部捨てろ。一からやり直しだ。
何度も試作を繰り返し、世界で初めてのビニール製手袋が、ようやく製品として出荷できるところまできたとき、一つひとつ拡大鏡で検品してみつかった、ごくわずかな不良品。不良品を除いて良品だけを出荷すればいいという現場の意見に、創業者田中明雄が放ったひと言です。
そして、こう続けました。「一つでも悪い品ができるということは、全部悪いということだ。」全品を廃棄処分させ、生産を振り出しに戻しました。 この創業時のエピソードは、今でも社内で語り継がれています。そして、徹底した品質へのこだわり、妥協のないモノづくりの姿勢もまた、脈々と受け継がれているのです。

SHOWAism

ショーワグローブは、1954(昭和29)年に「尚和化工株式会社」として創業しました。この社名の「尚和」の由来には、創業者田中明雄の強い想いがあります。創業にあたり田中明雄は、社内及び社外のみなさまと共に栄え、信用される良き関係を先ず一番に考えること、それが『和を尚(たっと)ぶ』であると、その想いを社名に込めました。また、「これからは消費者に喜ばれる商品を提供するのだから、そこに社会的責任を自覚しなければならないし、社員が使命感を抱くことが大切だ」と考え、創業時に3つの精神を掲げました。

尚和

Harmony

従業員同志、お互いを尊重し連携する。信頼に応える行動により顧客の共感を得る。

責任

Responsibility

自らの役割を正しく理解し、行動する。社会の一員として法令遵守・環境保護を行う。

精鋭

Professionalism

不断の改善改良・創意工夫により、どこにも負けない選り抜きの強い集団となる。

信念がつくってきた歴史

創業以来、ショーワグローブは数々の独創性あふれる製品を生みだし、手袋の新しい価値を提案してきました。その歴史の根底には、揺るぎない信念が息づいています。そして、その貫いてきた信念こそが、今もショーワグローブを支えているのです。

「人の真似をしない」という
ポリシー

私たちの手袋づくりの始まりは、塩化ビニールとの出会いからです。戦後の世の中にまだ知られていなかった新素材、塩化ビニールのひっぱりに対する強度、耐薬品性、耐水・耐油性など、その優れた特性こそ手袋にふさわしいのではないかと着目。すべての技術、製法、設備に至るまで創業者自ら発想し、幾度も失敗を重ねながら世界初のビニール手袋を誕生させました。それは粘り強い探究心と独創力、そして真摯に取り組んだ努力の成果です。以来、「人の真似をしない」という信念を社内に徹底させ、新しい発想と創意を生かして新製品開発に取り組んでいます。人がならした安易な道を選ばず、人より先に行き、茨の原野を切り拓く。ショーワグローブのモノづくりの精神は、後に多くの製法特許製品を生みだすことにもつながっています。

「手型が完璧でなければ、
いい手袋はできない」
というこだわり

手袋の開発に着手して、まずいちばんにこだわったのが手型です。粗悪な手袋による創業者の辛い体験から「手を守りたい」という想い。また、さまざまな文明の発達は、すべて人間が手を使って成し遂げてきたものであるという畏敬の念。だからこそ、その手を覆う手袋は画一的な被覆物ではなく、高い機能性を持ち、使いやすいものでなければならないと考えました。しかし、人間の手はひとつとして同じカタチのものはありません。指の長さ、微妙な曲がり具合、掌の厚み、その湾曲する線、一人ひとり違うしなやかなカタチを、いかに手型に集約するかに苦心しました。現在は手型メーカーが開発した汎用型を利用しているメーカーもありますが、ショーワグローブの手袋の手型は、創業以来すべて自社開発によるオリジナルです。

「品質に納得すれば、
また買ってくれる」という信念

ビニール製手袋の第一号はサイズ違いの2種。使用目的も明確に決めていませんでした。ところが本格出荷が始まると、薬品を扱うメッキ工場などからクレームがきました。想定外の需要範囲の広さに驚きながらも、早速クレームに対応した工業用手袋の開発に取りかかりました。新しいマーケットの開拓に手応えを感じつつ、次に発想したのは女性のための家庭用手袋です。当時は家事に手袋を使用する習慣がなく、手のあかぎれは当たり前のこと。薄くて丈夫で使いやすい、藤の花をイメージしたバイオレットの手袋は、女性の心を捉えて指名買いが殺到しました。常に消費者のニーズをいち早く察知し、独自の発想で次々と新製品を出してきましたが、だからといって旧製品をすぐに廃盤にするようなことはしません。消費者が品質に納得し信頼してくれた製品は、いつでも手に入るものでありたいと考えているからです。それゆえに増え続けた製品が、現在では1,500種類にも及び、中には20年以上も愛されているロングセラー製品もあります。

業界初、生産工程の
自動化を実現。
「先知・先手」という精神

1979年、第二次石油危機が起こりました。手袋業界としては原材料の高騰などの影響を受けていましたが、ショーワグローブは生産設備の増強が急務という状態で、仁豊野第2工場の建設に乗り出しました。新工場では、原料高の石油を廃し、熱効率が高くクリーンエネルギーのブタンガスを導入。さらに、人力に頼っていた工程を自動化するために独自技術で産業用ロボットまでも開発。創業時に技術者もなく、暗中模索しながら手作業で手袋の製造設備を作り上げた不屈の精神が、他社に先駆けて業界初の24時間完全無人化操業を実現させました。その後も設備のブラッシュアップに取り組み、開発製品のテストプラントから生産プラントまで、すべて自社技術で構築。独自性を追求した製品を生みだし、量産する体制をいち早く整えました。

社員が相互の心の和を第一とし、
力を合わせ、
まず自らの責任を重んじ、
分に応じてそれぞれ精鋭な人材となる様
一生懸命に努力する。
この努力の中から社会に必要な良い商品を
作り出す技術を磨き、
他に卓越した商品を供給できるならば、
必ず御得意様に愛され、
その信用を獲得することができるであろう。
それが社会に貢献し、自らも繁栄できる基礎である。

ショーワグローブ創業者

田中明雄