DX推進の取り組み

DX推進の背景
現代の製造業は、グローバル市場における競争がますます熾烈化し、テクノロジーの進化によって顧客ニーズが急速に変化しています。IoT、AI、ビッグデータといったデジタル技術は、生産プロセスの効率化や新しい価値創造において不可欠であり、競争力の源泉となっています。この認識に基づき、ショーワグローブはデジタル技術を活用してさらなる競争力を高めていきます。
ショーワグローブの経営ビジョンは、「手袋を通じ、世界中の人たちに安心と安全をお届けすることで社会に貢献する」ことです。このビジョンは、製造業として果たすべき使命である「創って、作って、売る」活動に深く根ざしています。特に、デジタル技術の導入は、このビジョンの実現において重要な役割を果たします。
全ての部門において、IoTやAI、データ分析を活用することで、より高品質で安全な製品を効率的に生産し、迅速に市場へ供給することが可能となります。また顧客からのニーズをデジタル技術により収集、集約し、求められる手袋を社会にお届けします。これにより、ショーワグローブの手袋は「安心」と「安全」を提供し、社会への貢献をさらに強化します。デジタル技術の導入は、単なる業務効率化にとどまらず、企業の競争力を高め、持続可能な社会の実現に向けた基盤となります。
私たちショーワグローブは、さらなる進化を遂げるため、以下の3つのテーマを中心にデジタル技術を駆使し、変革を進めていきます。
生産性向上
全社的な業務プロセスのデジタル化と自動化を推進し、従業員の創造性を最大限に引き出します。コミュニケーションツールやグループウェアを活用して生産性向上を追求することで、企業の競争力強化と働き方改革を同時に実現し、従業員がより創造的な業務に集中できる環境を整備します。
データ駆動型経営
全社統合データ基盤を構築し、強固なデータガバナンス体制を確立することで、データに基づく迅速かつ精緻な意思決定を実現します。AIやBIツールを活用してデータ分析力を強化し、顧客ニーズを深く洞察し、変化する市場トレンドをいち早く捉えて新たなビジネスチャンスを逃さず掴み取ります。
顧客体験の向上
顧客接点のデジタル化とパーソナライズ化を進め、顧客エンゲージメントを深化させ、LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指します。デジタルマーケティングを強化し、顧客に寄り添ったマーケティングを実現します。
これらの取り組みを通じて、ショーワグローブは顧客中心の企業へと進化を遂げ、変化の激しいグローバル市場において確固たる地位を築き、持続的な成長と社会貢献という使命を果たしていきます。
DX推進体制
当社は、全社的なDX推進のためにChief Digital Transformation Officer(CDXO)を中心に、各部門から選任された推進メンバーで組織を構築しています。各部門の推進メンバーは、現場の専門知識と実務経験を活かし、DXの推進力を高めています。私たちは、組織全体で一丸となり、デジタル変革を加速させ、未来に向けて大きく前進しています。
DX教育プログラム
デジタルスキルの向上と変革意識の醸成を図るため、全社員を対象に研修を実施します。特に推進メンバーには、データ活用スキルの向上を目指した専門的なトレーニングを行い、業務改革を進めていきます。
DX教育プログラム
事業インフラの環境整備
旧式で脆弱だった事業インフラを刷新し、高速で安定したネットワーク環境へ再構築しました。また、ゼロトラストモデルに基づくセキュリティ対策を実施し、全社員にモバイル端末を支給してリモートアクセス環境を整備しました。これにより、社員は場所を問わず柔軟な働き方が可能となり、業務の効率化が進んでいます。この新しいネットワーク環境は、リモートワークや複数拠点にまたがる業務展開を支える基盤となり、全社的な生産性向上に寄与しています。
データ活用基盤の構築
ITインフラの刷新に加え、今後、データ活用基盤の強化に着手します。この基盤は、生産性向上、データ駆動型経営、顧客体験の向上といった戦略の実現を支える中核的な要素です。企業全体でのデータドリブンな意思決定を支えることで、新たなビジネスチャンスの創出や競争力の強化を目指します。
データ統合と蓄積
生産データ、販売データ、顧客データなど、全社で生成されるあらゆるデータを一元管理し、データウェアハウスやデータレイクを導入します。これにより、データの統合と蓄積を進め、生産性向上やデータ駆動型経営、顧客体験の向上に直結する形でのデータの可視化を実現します。例えば、生産性向上では、生産プロセスのリアルタイム監視や自動化が可能となり、従業員がデータを基に最適な判断を行うことで業務効率が飛躍的に向上します。
データ分析環境の整備
最新のBIツールやデータ分析プラットフォームを導入し、迅速かつ的確なデータ分析が行える環境を構築します。これにより、データ駆動型経営が実現し、経営陣や各部門がデータに基づいた精緻な意思決定を行うことが可能となります。また、顧客体験の向上においても、蓄積されたデータを活用して顧客ニーズを深く理解し、パーソナライズされたサービスを提供することで、顧客エンゲージメントを高めます。
データガバナンス体制の確立
データの品質管理やアクセス権限の管理、セキュリティ対策の強化を図り、堅実なデータガバナンス体制を構築します。この体制は、生産性向上、データ駆動型経営、顧客体験の向上のすべてに不可欠な基盤となります。例えば、生産プロセスのデータを厳格に管理することで、安定した生産活動を維持し、データに基づいた業務改善が可能となります。さらに、顧客データの適切な管理により、顧客体験の向上と同時に信頼性の確保を実現します。
データ活用基盤の構築
~中期経営計画「VISION 2028」達成に向けて~
中期経営計画「VISION 2028」における「2028年に売上600億円達成(年平均成長率5.1%)」を念頭に、DX推進の進捗を包括的に評価するためのKPI設定を現在進めています。現時点では以下の各戦略における具体的な成果指標を暫定的に設定し、DX推進の効果測定と改善に役立てます。
KGI達成に向けたKPI
  • ・売上高:中期経営計画の売上高600億円達成に向けた年間売上高目標の設定と達成度合い
  • ・売上成長率:前年比売上成長率の測定と、年平均成長率5.1%の達成状況
  • ・新規顧客獲得数:新規顧客獲得数の測定と市場開拓の進捗
  • ・既存顧客維持率:既存顧客維持率の測定と顧客満足度向上施策の効果
  • ・コミュニケーションツール・グループウェア利用率:従業員の利用状況
  • ・データ活用件数:データ分析に基づいた意思決定や施策実施の件数計測
これらの指標に加え、部門間連携の強化などの定性的指標も設定し、多角的にDX推進の成果を評価します。これらの指標は、定期的に見直しを行い、より精度の高い評価と効果的な改善につなげていきます。
最後に
私たちショーワグローブは、DX推進を通じて企業の競争力を強化し、持続可能な社会の実現に向けて重要な役割を果たしていきます。この取り組みは、単なる業務のデジタル化にとどまらず、企業の未来を築くための基盤であり、すべての従業員が一丸となって取り組むべき課題です。
ショーワグローブのビジョンである「手袋を通じ、世界中の人たちに安心と安全をお届けすることで社会に貢献する」ため、デジタル技術の活用は不可欠です。これからの競争環境において、デジタル技術を最大限に活用し、顧客に新たな価値を提供することが求められています。
この取り組みを通じて、ショーワグローブはさらなる成長を遂げ、社会に貢献し続ける企業でありたいと考えています。

ショーワグローブ株式会社
代表取締役社長

星野達也