薬膳料理をおいしく食べて健康な体づくりを!
瀧本靖子 さん
Yasuko Takimoto
職業:薬膳実践学院学院長、日本薬膳師、国際中医師、管理栄養士。
薬膳教室を主宰し、横浜と三軒茶屋の教室で実践的な薬膳を教えている。
著書の執筆、レストランメニューの提案も行うなど薬膳の分野で幅広く活動。
長年悩まされた体調不良が薬膳によって回復した経験がきっかけで、薬膳レストラン“心味”を主宰。
その後、教室を開いて学校を設立するなど薬膳を多くの人に広めている瀧本さん。
これまでの仕事の取り組みや調理のときに使っている手袋についてお聞きしました。
ダイエットのためにカロリー計算を勉強していました
--- 食に関わる仕事をしようと思ったきっかけがあれば教えてください。
昔、ピアノに真剣に取り組んでいたことがあり、絶対に指に怪我をしてはいけなかったので、大人になるまで料理をしたことはありませんでした。ただ、家の食事は父の要望もあって、かなりたくさんの品数が食卓に並んでいましたので、幼い頃から食生活は充実していました。
高校生のときに宝塚歌劇団に入りたくて、ダイエットのためにカロリー計算を勉強したことが、食を意識する最初のきっかけになりました。大学では家政学部食物学科で学び、卒業後は管理栄養士として病院や老人ホームで働きました。
食事で体を整えることが大事なんです
--- 薬膳を始めたきっかけを教えてください。
老人ホームでは私を含めて栄養士がふたりで勤務していましたが、ひとりの方が妊娠して辞めてしまったんです。当時は仕事が面白かったのですが、とても忙しくて体調を崩してしまいました。
その後、治療のために仕事をやめて、病院を転々とする日々が続き、西洋医学に疑問を感じ始めた頃に、薬膳の通信教育を受ける機会に恵まれました。すると、先生から突然電話がかかってきて、「本当に勉強したいなら学校に来なさい」と言われて、中国医学を本格的に勉強することになりました。
学校に通いながら、自分で薬膳料理を作って食べていると体調が良くなってきて、その後、漢方を飲んだら凄く元気になりました。食事でしっかりと体を整えた上で漢方を飲むと、体が吸収するからとても効くんだということを初めて実感しました。
卒業後、他にも自分と同じように困っている方がいたら助けてあげたい、という思いで実家の1階をリフォームして薬膳のカフェを始めました。次第にクチコミなどで人が集まるようになり、薬膳への関心が高まってきましたので、レストランで食事を提供しながら、教室を主宰するようになりました。
トマトを食べるだけでも「薬膳料理」になります
--- 薬膳と聞くとなんだか難しそうな感じがしますが?
中国では中医学の理論に従って、食材と天然由来の薬である「生薬」を組み合わせて作る薬膳料理がたくさんあります。日本においては生薬が入っていなくても中医学の理論に従って作っていれば「薬膳料理」と言われることが多いです。
例えば、ラーメンやアルコールが好きで、頻繁に鼻血を出している症状がある人は「体に熱がこもっている」場合が多いので、トマトを食べることをすすめます。これは『薬膳大全』という辞典に載っているほど認められていることです。それぞれの体質や症状などに合わせて、中医学の理論に従って料理を作ると、それは薬膳と呼ばれます。
私はこのような中医学と薬膳の理論をもっと本格的に勉強したい人のために学校を設立し、沢山の学生さんがここで学んでいます。
食事はやっぱり楽しむことが一番です
--- 先生にとっての薬膳とは?
私は薬膳をもっと多くの方に知ってもらいたいと考えていますので、日本人になじみ深い西洋的な栄養学も交えながら分かりやすく説明するように心がけています。
薬膳というと「酒を飲んではいけない」「肉を食べてはいけない」と想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、日々の食事はやっぱり楽しんでもらうのが一番かと私は考えています。
だから、教室にはワインとチーズを薬膳料理とともに楽しむコースも開設しているんです。
衛生面への配慮と使いやすさを気に入って「ニトリスト」を使っています
--- 薬膳を調理するときにはどのような手袋を使っていますか。
病院や老人ホームで働いていたので、昔から衛生面に配慮して使い捨て手袋を使っていましたが、手にしっかりとフィットするタイプではなかったので、少し使いづらかったです。当時はそれほど深く考えずに使用していましたが、自分でレストランや教室を開くようになって、しっかりフィットする良い手袋がないかと探していました。
そのうちに通販サイトでショーワグローブさんの「ニトリスト」を見つけました。試してみると、手にピッタリとしていて、使いやすかったです。パウダーが付着していないので、不快感がなく、野菜を切る時にも使えたので重宝しました。以来手放せません。