心地よい「暮らし」を提案するインテリアスタイリストの仕事

心地よい「暮らし」を提案する
インテリアスタイリストの仕事

みつまともこ さん Shinichi Shimakawa

みつまともこ
さん
Tomoko Mitsuma

みつまともこ さん Tomoko Mitsuma

ディスプレイデザイナー・インテリアスタイリスト。衣食住にまつわるブランドのディスプレイデザインや撮影のスタイリングなどを手掛ける。著書『暮らしの図鑑 ガラス』(翔泳社)を2020年7月に刊行。www.mitsumatomoko.com  instagram:@mitsumatomoko

ディスプレイデザイナー、そしてインテリアスタイリストとして活躍されている、みつまともこさん。雑誌や書籍の撮影スタイリングからお店やイベントのディスプレイデザインまでを幅広く手掛けています。また、毎日を心地よく過ごすためのアイデアをさまざまなメディアで紹介し、人気を集めています。
みつまさんの素敵な自宅を伺い、普段のお仕事の内容や、暮らしのなかでインテリアを魅力的に見せるコツなどについてお聞きしました。

美しく見せるディスプレイ、暮らしをイメージさせるスタイリング

――ディスプレイデザイナー、インテリアスタイリストと2つの肩書きを持っていらっしゃいますが、それぞれどのようなお仕事なのでしょうか?

美しく見せるディスプレイ、暮らしをイメージさせるスタイリング

デパートやお店のショーウィンドウ、雑貨店の棚の上などに、商品と一緒に季節やイベント性を感じる飾り付けがされているのを目にしたことがありませんか? それがディスプレイの仕事です。おもに商品を魅力的に見せながら、世界観や季節感でイメージをふくらませて、「飾る」ことをメインに空間をつくります。一般のお店だけでなく、化粧品や電化製品などの発表会や展示会で、新商品を花や雑貨で魅力的に飾るというお仕事もあります。

対してインテリアスタイリストは、雑誌や書籍などで雑貨や家具などが魅力的に映るよう整える仕事です。家具や雑貨を実際の部屋のようにおいて暮らしの様子を再現したり、インテリア雑貨などの飾り方を提案することもあります。

――お仕事をするうえでの必需品はありますか?

仕事をするうえでの必需品

たくさんの商品を一度に出し入れすることが多いので、その際に使うカッターナイフや、置いたままクッションやクロスなどのシワが伸ばせるスチームアイロンは必ず持参します。

それから、特に欠かせないのが手袋です。新商品の発表会や展示会では、コスメなどをアクリル台に載せることが多いので、指紋をつけないために薄手の手袋は必須。ガラス製品のディスプレイでも、ほんの少し指紋がつくだけで目立ってしまうため、素手での作業は避けています。

仕事をするうえでの必需品

スタイリングではグリーンの鉢や家具など重いものを運ぶこともあるので、そのときは手のひらにスベリ止めのついた手袋を使うこともありますね。

スタイリングの小さなアイデアで、暮らしを好きになってもらえたら

――この道を進まれたきっかけはなんだったのでしょうか?

美術大学でグラフィックを学び、そこから広告会社へ入りましたが、もともと好きだったインテリアやディスプレイの仕事をやってみたいという気持ちがずっと抜けなかったんです。あるとき、アパレルや雑貨のブランドを手掛ける会社の募集を見て、思い切って飛び込みました。

その会社では、ショップのディスプレイや会社のカタログやリーフレットの撮影のスタイリングを社内で行なっていました。ですから、そういった仕事も現場でで覚えていきました。この会社での仕事を通じて、雑貨、カフェの食品、バッグや衣類、アクセサリーなどを幅広く扱った経験は、今すごく役立っていますね。

――会社員時代と違って、フリーランスではご自身の世界観が必要になってくると思いますが、どうやってイメージを膨らませていくのでしょうか?

スタイリングの小さなアイデアで、暮らしを好きになってもらえたら

ディスプレイの仕事は、クライアントのイメージや商品のコンセプトがあり、その意向を表現するために、私ならこんなことが提案できる、というのを突き詰めて考えていきます。でも雑誌での飾り方の提案や自著のスタイリングなどは、自分の世界観が求められます。わたしがいつも伝えたいと思っているのは、手が届かないような世界ではなく、ちょっとした工夫で取り入れられるアイデアや心がけです。ほんの少しのことで雰囲気が良くなったり、自分の部屋が好きになれたり。真似できそう、これならやってみたいと思ってもらえたら嬉しいです。

――これから手がけていきたいお仕事はありますか?

自著の『暮らしの図鑑 ガラス』で紹介したガラスのおもしろさや美しさを、もっと伝えていけたらと思っています。ガラスって夏のイメージがありますが、冬こそ魅力的に見えたりもするんですよ。クリスマスや年末年始のイベントにもぴったりですし、陶器や漆器、布など異素材との組み合わせも楽しめます。そんななかで、うちでも取り入れてみたいと思ってもらえるような提案をしていきたいですね。

インテリアを楽しむコツは「自分の好き」を見つめること

――わたしたちが部屋を飾るときには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。

どう並べるか……たとえば、アイテムに高低差をつける、メリハリをもたせるなど、計算で生まれるセオリーのようなテクニックはもちろんあります。でも、それ以上に大切にしたいのは、「何を選ぶか」だと思っています。スタイリングの仕事でも、当日どう並べるかより、「何を準備するか」を考えるほうが重要なんです。

インテリアを楽しむコツは「自分の好き」を見つめること

自分の家ですから、「とにかく好きなものだけしか飾らない」と決めてしまいます。ショップで気に入ったアイテムを、インテリアに合うかどうか考えずに買ってしまうようなことは誰しもありますよね。でも、心から好きなものだけという大前提があれば、多少テイストがミックスされていても、自然と自分が居心地のいい空間になる気がします。私の家も、アジアやハワイ、ヨーロッパなどの旅先で出会ったもの……実はいろいろありますよ。

一方で、そうやって物がどんどん増えていくと、今はそんなに気に入っていないものも、なんとなく置いたままになったりしませんか?
ごちゃごちゃしているなかに素敵なものを飾っても生かしきれません。素敵なものを手に入れたら、代わりにじっくり周りを見渡して、今の自分に不要なものを手放してみるのはどうでしょうか。ものの量を調整して、飾るための余白をつくると、ものがさらに魅力的に見えてきます。

――お子さんがいらっしゃると伺いましたが、リビングは大人っぽい雰囲気を保たれていますね。ご家族で暮らすなかで、インテリアや収納に何か工夫をされていますか?

最近は成長しておもちゃで遊ぶことも少なくなり、子ども個人のものは自室に置くようになりました。でも、今もリビング学習ですし、ピアノの楽譜にゲームに……いろいろあります。

インテリアを楽しむコツは「自分の好き」を見つめること

ドリルや楽譜など、しまいこむと子どもは手をつけなくなってしまいますよね。だからなるべく簡単なしまい方ができるよう、インテリアになじむカゴやバケツを使ってざっくりと収納しています。ゲームなら、テレビ横のバケツに「とりあえず、きれいじゃなくてもいいからこの中には入れてね」とお願いして、あとは布をかけてしまえば目立ちません。ブロックで遊んでいたころは、見た目がかわいいボックスにしまって目隠しをしていました。

私の家族も、整理整頓に積極的なタイプではないんです(笑)。だからこそ、夫や子どもも無理なく片付けられるような工夫をすることが大事だと思っています。
部屋は家族の暮らしそのもの。まずは生活がありますから、無理なくおしゃれな気分が味わえたらいいですよね。

(2020年9月10日取材)

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