SOLUTION現場の問題別ソリューション

転写対策

転写がもたらす影響

製品へ汚れや溶出物が転写することで、製品不良の原因になることがあります。

塗装不良
汚れが付着したまま塗装を行うと、塗料をはじく・塗装表面が平滑に仕上がらないなど、塗装不良につながります。
金属製品の腐食
電子部品や缶詰などの金属製品は、手袋の溶出物により変色やサビが生じる可能性があります。
ガラス製品の製品不良
ガラス製品では最終製品を出荷した後に、溶出物が検出され、納品不良となった事例などがあります。

転写対策について

製品不良につながる、手袋からの転写対策には2パターンあります。

①手袋からの溶出物による転写対策

手袋を製造する過程で、潤滑油などが残留していると、手袋表面からの溶出物(油分など)が転写する恐れがあります。この場合は、繊維の洗浄段階から工程管理を行い、残留物を低く抑えた手袋が有効です。

②手袋に付着した汚れによる転写対策

手袋に汚れが付着した状態で製品に触れると、汚れが転写してしまう場合があります。手袋を洗濯していても、手袋の細かい凹凸に汚れがたまり、落ちにくくなることがあります。この場合は、表面が平滑な樹脂をコーティングした、汚れが付きにくく、かつ落としやすい手袋を使用すると有効です。

転写対策について

ショーワグローブの商品は転写対策に役立ちます。

転写対策手袋とは?ショーワグローブでは、「低残留物タイプ」と「防汚性タイプ」の2種類を転写対策手袋として取り扱っております。作業内容に適した手袋を着用することで、品質向上につながります。

低残留物

ショーワグローブの転写対策手袋は、繊維の洗浄段階から工程管理を行っており、残留溶出物を低く抑えています。溶出物は肉眼では見えないことも多いため、知らず知らずのうちに転写による製品不良につながることがあります。

転写試験について

  • パームフィット手袋

    パームフィット手袋

    溶出物の転写はほぼない
  • 転写例

    他社製品

    溶出物が転写して指の跡がつく

試験方法

表面が滑らかな黒色塗装膜(*)に指を押し付けて転写物の有無を撮影。*)基材:PP、塗装:ポリウレタン系塗料

ポイント

製造時の潤滑油などが残留していると、コーティング表面から不揮発性の油類、有機ケイ素ポリマー(シリコーン)などが溶出し、製品に転写する恐れがあります。
※転写は熱などの使用環境でも変化します。十分にご確認の上、ご使用ください。

防汚性

樹脂密度が高く、表面が平滑な特殊ポリウレタンをコーティングしたタイプは、汚れによる転写を防ぎます。汚れが付着しにくく、付着した汚れも落としやすいため、洗濯や拭き取りにより長期間手袋を使用される現場では、ランニングコスト向上にも役立ちます。

防汚性能のメカニズム

①特殊配合されたポリウレタン樹脂を使用
②コーティング部の密度が高く、平滑な表面状態

ポリウレタン樹脂拡大写真

ポリウレタン樹脂拡大写真

ナノテクリーン/ケミスターフルコート

樹脂表面は平滑であり、樹脂の密度が高く、 汚れ等が入る隙間が少ない

防汚性が高い

表面が平滑・高密度 汚れが入る隙間がない防汚性が高い

従来品

樹脂表面から内部に渡って、樹脂密度が低 く、汚れ等が入る隙間が多い

防汚性が低い

表面がでこぼこ低密度 汚れが入る隙間がない防汚性が低い

手袋による塗装不良(ハジキ)について

不良発生事例

とあるユーザー様で、射出成型機から出てきたプラスチック成型品をロボットで塗装していた。塗装時は問題なかったが、乾燥炉から出てきた際に塗装不良(ハジキ)が生じた。そこで調査を行うと、射出成型品のバリ取りと検査、塗装治具への取り付けに使用している手袋からの溶出物が原因と推測された。

パームフィット手袋を使用した結果

塗装ハジキによる不良が減り、製品の歩留まりが向上した。

※作業内容によっては、条件が満たない場合がありますので、事前に十分ご確認の上、ご使用ください。

樹脂成型品の塗装ハジキ※イメージ

  • パームフィット手袋

    キレイに塗布

    キレイに塗布
  • 他社製品

    ハジキあり

    ハジキあり

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